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学会活動アーカイブ

日本映像学会映像心理学研究会,アニメーション研究会・日本アニメーション学会 心理研究部会 合同研究会のお知らせ

2021.03.15 カテゴリー:心理研究部会,研究部会活動

心理研究部会主査 野村康治

心理研究部会では日本映像学会映像心理学研究会,アニメーション研究会と合同でZoomを用いたオンライン形式の合同研究会を開催いたします。参加登録をしていただければ、どなたでも参加いただける会です。
ご興味、ご関心がございましたら、是非ご参加くださいますようご案内申し上げます。

概要

日時:2021年(令和3年)3月28日(日曜日) 15:00~18:00
参加費:無料
参加登録:参加をご希望される方は、3月26日(金曜日)までに下の参加登録フォームに必要事項をご記入ください。
https://forms.gle/Yg3kQgm22ASsRVKi9
登録後、ご記入いただいたメールアドレスに参加用URLをご案内いたします。

日本映像学会 映像心理学研究会・アニメーション研究会 代表:横田正夫
日本アニメーション学会 心理研究部会 主査:野村康治

連絡先:野村康治(nomura@shoin-u.ac.jp:@を@に変えてください)
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合同研究会プログラム

15:00~ 開催挨拶

*日本アニメーション学会心理研究部会・日本映像学会アニメーション研究会 合同企画
15:10~16:10(質疑応答を含みます)

研究発表 「アニメ視聴による心理的体験の構造化および作品/視聴者要因に関する臨床心理学的研究 ―アニメーション療法の開発に向けて―」
発表者:薮田拓哉
要旨:アニメ視聴によって人々はさまざま体験をするが、時に生きる糧になるなど、援助的な側面も包含している。しかしアニメーションを心理的援助に応用する試みは行われておらず(横田,2019)、基礎的な知見が少ないのが現状である。本発表では、臨床心理学の観点からアニメの心理的支援への活用可能性に繋がる研究を紹介する。研究1では、アニメ視聴による心理学的体験の構造化を行った。その結果、視聴者は娯楽的な体験・影響にはじまり成長や意味を見出すという、より臨床心理的な体験・影響に至るまでの体験をしている事が示唆された。続く研究2は、その体験の生起に関わる作品要因と視聴者要因、体験生起を妨げる阻害要因を検討した。その結果、作品と視聴者の間でどのような心の働きが反映されているのかについての示唆が得られた。本発表では、「アニメーション療法」の可能性も視野に入れつつ、アニメ視聴体験の効用について心理学的に研究する意義やアニメの持つ力について議論したい。

16:10~16:20 休憩

*日本映像学会映像心理学研究会・日本アニメーション学会心理研究部会 合同企画
16:20~18:00(討論・質疑応答を含みます。また適宜休憩時間を設けます。)

パネル・ディスカッション「アニメーション -「イメージ」の伝達-」

進行:野村康治
企画要旨:アニメーションは、作り手が思い描いたものを具現化し、それを受け手に伝える表現だといえる。一般に私たちは、思い描くものを「イメージ」とよぶため、その具現化つまりアニメーション作りにおいて「イメージ」が不可欠だと考えるのはごく自然なことである。しかし、そこで必要とされる「イメージ」とはいかなるものなのであろうか。あるいは、アニメーションにおいて「イメージ」は本当に不可欠なものといえるのであろうか。今回のパネル・ディスカッションでは、アニメーション作りにおける「イメージ」の重要性を指摘する中村氏と、「イメージ」という概念を用いずにアニメーション作りを語る佐分利氏という、ある意味で対極的な視点に立つ2名のパネリストを招き、意見交換をすることでアニメーションにおいて伝達される「イメージ」というものを検討していきたい。

パネリスト:中村 浩
題目:アニメにおける動きイメージのリアリティについて
要旨:アニメ作家が作り出す動きには、その動きのイメージと統合された作家自身の身体図式が表現されている。そしてその鑑賞者においても、観察した動きが鑑賞者自身の身体図式に関連付けられることによって、それがよりリアルな動きとして知覚される。しかしこれは身体図式と視覚的に鑑賞される動きの統合によって形成された視覚図式がアニメ製作者と鑑賞者に共通であることを前提としている。ではこの図式はどのようなプロセスを経て形成されるのであろうか。リアリティの高い視覚図式の形成が、視覚刺激の身体図式への同化によって可能になることを発達心理学的観点から示したのがPiagetであるが、本報告では因果関係知覚の発達を題材とした研究結果を手掛かりとしてこのプロセスについて議論したい。

パネリスト:佐分利敏晴
題目:イメージで語らない生態心理学と、イメージとしてのアニメーション
要旨:生態心理学において私たちが視覚で環境を見るとき、脳内で作られるイメージや目にしたときの網膜に投影される像(イメージ)は必要無い。網膜は光学的配列を捉え、その配列そのものが視覚情報となるからだ。それは私たちの意識の外にあるもので、ヒトの状態や行為にかかわらず存在している。
しかし、アニメーションは映像であり、本来のイメージの意味から考えてもイメージである。だから、アニメーションの作り手が見せたいものに情報が片寄ることがある。
普段の何気ない動作を改めて絵画的なアニメーションで作ると、高畑勲が指摘していたような「異化効果」によって、観客が持っている「動きの印象」ではないディテールが知覚される。このとき、アニメーションは作り手が「引き写した環境と動きの事実」であるとともに「思い描いた」ものとして機能し、非常に力強い表現となる。