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学会活動アーカイブ

西日本支部+教育研究部会 合同企画研究会当日タイムスケジュールのご報告お知らせ

2026.08.05 カテゴリー:お知らせ,教育研究部会,西日本支部

投稿者:西日本支部代表 一藤浩隆


お知らせしておりました、西日本支部・教育研究部会共同企画「アニメーションの第1コマ:学生ピッチ・フォーラム The First Frame: Student Pitch Forum」が無事終了いたしました。ご協力をいただいたみなさまには深くお礼申し上げます。最終的な発表者、および発表内容をご報告いたします。

開催概要
日程:2026年8月21日(金)
(「ひろしまアニメーションシーズン2026」会期:2026年8月19日(水)〜23日(日))
場所:JMSアステールプラザ 広島市国際青年会館 7F研修室
主催:日本アニメーション学会西日本支部・教育研究部会
参加費:無料

「ひろしまアニメーションシーズン2026」全体スケジュール
https://animation.hiroshimafest.org/schedule/

タイムテーブル
・開会のあいさつ

・第1部(10:05~10:40)
1、荒金友智美(指導教員:佐々木 淳)比治山大学
表題:受け手の経験から動き始めることば
要旨:本発表では、アニメーション視聴を起点として、受け手側からアニメーションを研究する第一歩について考える。私は、3人の「ひろしまアーティスト・イン・レジデンス」の作品を視聴し、頭に浮かんだキーワードを書き出した。その後、それらの語をつなげ、作品のテーマを文章化する活動を行った。この活動で重要なのは、作家の意図を当てることではなく、受け手が何を見て、何を感じ、どのようなことばを選ぶのかである。アニメーションを見たときに浮かぶことばには、受け手自身の様々な経験(読書経験やアニメ視聴経験等)、記憶、感覚が入り込む。そのため、同じ作品を見ても、立ち上がるキーワードやテーマ表現は人によって異なる。本発表では、作家の説明を聞かない状態で、作品を見た受け手の中にどのようなキーワードが生まれ、それらがどのようにつながって作品理解の文章へと展開していくのかを考察する。

2、堤玲奈(指導教員:佐々木 淳)比治山大学
表題:解釈の変容ーことばはかわる
要旨:本発表では、「ことばを動かす」という海外アニメーション作家の講義を踏まえ、受け手の中で立ち上がったキーワードや作品理解がどのように変容するのかを考える。私は、3人の「ひろしまアーティスト・イン・レジデンス」の作品を事前に視聴し、頭に浮かんだキーワードを書き出した。その後、それらをつなげて、作品のテーマを文章化する活動を行った。そこで生まれたことばは、映像だけから導かれるものではなく、受け手の様々な経験や感覚を通して選ばれたものである。講義では、作家自身のことばに触れた後に、自分が選んだキーワードが作家の考えとどこで重なり、どこでずれているのかを検討した。ここで重要なのは、作家の説明を唯一の正解とするのではなく、受け手のことばと作家のことばを比較することで、作品理解が拡大される、あるいは修正される過程である。本発表では、作家のことばに触れることで作品理解が拡大・修正され、ことばが動いていく過程を、受け手側からアニメーション研究を始める第一歩として位置づける。

3、岡崎真依(指導教員:林緑子)福山大学
表題:アニメ下請制作会社の構造的歪みと生存戦略
要旨:本発表の目的は、アニメ産業における制作会社の課題を考察する卒業研究の計画報告である。現代の日本アニメは、制作本数の増加、海外への配信やIP展開など、国内外への影響力を持つ産業として成長してきた。IPの保持や元請けとなる大手制作会社は、数年先まで制作スケジュールが埋まり、収入も増加した。その一方で、下請けの制作会社は、経済的成長に伸び悩んでいる。そこで本発表は、この構造的な歪みに対する改善案を検討したい。具体的には、制作会社の決算データなどを調査し、検討していく。その上で、JAniCAによる『アニメーション制作者実態調査』が、現場の労働環境や低単価の現状を詳細に数値化している点から参考になる。今後は、一藤浩隆(2026)『製造業としてのアニメーション: 制作現場は何を守ってきたのか』青弓社や、増田弘道(2020)『製作委員会は悪なのか?アニメビジネス完全ガイド』講談社などを手がかりとして研究を進めていく。本発表を通して、卒業研究を進めるための手がかりやコメントを得られることを期待している。

4、XU ZHONGZE(指導教員:宮﨑しずか)文化学園大学
表題:人生で初めて出会ったアニメーションから創作研究へ
要旨:今回の発表では、やや個人的な視点から、自分が最初に触れたアニメーションと、それが現在の研究とどのように関係しているかについて述べる。
物心がついた頃から、VCDでアニメーションを視聴していた記憶がある。初めて触れた作品の中でも、水墨アニメーションは特に強い印象を残した。なかでも『おたまじゃくしがお母さんを探す』はとりわけ印象的な作品である。初期の水墨アニメーション作品であり、技術的には未成熟な部分や、全体構成も比較的シンプルであると言える。しかし、童話を原作としているため、当時まだ理解力が十分でなかった自分にとっても把握しやすく、その分強く記憶に刻まれた。
そして2026年現在、自分は大学院において「中国東北部の民間シャーマニズムに基づく鉛筆手描きアニメーションの制作研究――民俗文化『仙家』を中心に――」というテーマで研究を行っている。『おたまじゃくしがお母さんを探す』の創作背景は、この研究テーマに至る契機の一つとして、重要な影響を与えている。

5、JIN RUI(指導教員:宮﨑しずか)文化学園大学
表題:三渲二技術による手描き風映像表現の研究
要旨:近年、アニメーションやゲーム制作では、写実的なCGだけでなく、手描きアニメーションのような表現を実現する非写実的レンダリングが広く活用されている。本研究では、3DCGを手描き風に表現する「三渲二(3D-to-2D)」技術に着目し、その表現手法や特徴について考察する。輪郭線や陰影、色彩表現などの要素が映像の印象に与える影響を整理するとともに、実際のアニメーション作品に用いられている表現手法を比較・分析する。また、Blenderを用いた制作実験を通して、NPR表現の制作工程や表現上の特徴について検証する。本発表では、三渲二技術の現状を整理するとともに、3DCGと手描き表現を融合した映像表現の可能性について考察する。

討議(10:30~10:35)
質疑(10:35~10:40)

休憩(10:40~10:45)

・第2部 同志社大学 (10:45〜12:00)
佐野明子・深川大路「同志社大学におけるアニメーションの授業実践」
(1)「ジョイント・リサーチ」(3年生実習科目)
1、清水 颯太(指導教員:佐野 明子、大井 将生、下嶋 篤)
表題:私と戦争とアニメーション
要旨:幼少期に『ONE PIECE』マリンフォード頂上戦争編を視聴した経験をきっかけに、アニメーションと戦争表現の関係に関心を持つようになった。大学では、戦時下のアニメーションを題材とした教材制作を行い、戦争の状況に応じてアニメーションの役割が、戦意高揚を目的としたプロパガンダから、戦後には反戦映画へと変遷していく過程を検証した。さらに、『スパイ撃滅』(1942)(神戸映画資料館所蔵)や『桃太郎 海の神兵』(1945)を対象にショット分析を実施し、ロングショットや視点ショットなどの映像表現が、戦争への一体感や感情移入を促す演出として機能していることを明らかにした。これらの研究成果を踏まえ、今後はアニメーション表現を定量的に分析する手法を発展させるとともに、映像制作や教育への応用を目指す。また、アニメーションを時代や社会を映し出す文化的メディアとして捉え、メディアリテラシーの向上につながる研究を実現したい。

2、徳谷 和純(指導教員:佐野 明子、大井 将生、下嶋 篤)
表題:デジタルアーカイブから学ぶ戦争アニメと多様な視点
要旨:本発表では、文化情報学部の授業「ジョイントリサーチ」で取り組んだ研究をもとに、デジタルアーカイブ「日本アニメーション映画クラシックス」(国立映画アーカイブ)を活用した戦争アニメの研究について報告する。本アーカイブを用い、動物を題材とした戦争アニメ9作品を対象に、動物の描かれ方の違いに着目し、作品ごとに与えられた動物のイメージや表現の特徴について考察した。さらにその成果を生かして、小中学生向けの模擬授業を実践するための教材を作成した。研究を通して得た学びは、戦争アニメだけでなく、幼少期から親しんできた「トムとジェリー」の見方にも新たな気づきをもたらした。身近な作品の見え方がどのように変化したのかにも触れながら、映像文化を学ぶことが物事の見方にどのような変化や広がりをもたらすのかを紹介する。また、一連の学びを踏まえ、将来、社会人や親として大切にしたい姿勢や、子どもたちへ伝えていきたい思いについても触れる。

3、長澤 亮太(指導教員:佐野 明子、深川 大路、星 英仁)
表題:トリガーデータセットを用いた「止め絵」の定量的研究
要旨:本発表は、同志社大学文化情報学部の必修科目「ジョイント・リサーチ」において実施した研究について報告するものである。本研究では、アニメ制作における作画コスト削減手法としての「止め絵(人物の静止)」に着目し、その技術継承に寄与すべく適切な使用方法の解明を試みた。分析素材として、国立情報学研究所(IDR)経由で提供された「トリガーデータセット」を利用した。タイムシート等の中間生成物からデータを収集して分析することで、止め絵の適切なフレーム数やカメラワークとの関連性、セル別の特性等を明らかにした。 本研究は、多様な作品の分析や音響との関連性、AIによる滑らかすぎる作画とは異なる「止め絵の本質的価値」の探求等、さらなる発展が期待できる。本研究を通じて培った、実社会のデータセットから仮説を立てて分析し、結論を導き出す一連の経験は、今後の卒業研究や実社会でのデータ駆動型の課題解決等にも大いに活かしていきたい。

(2)「卒業研究」(4年生卒論ゼミ)
1、福田 穂乃花、井上 未結、山内 穂乃香(指導教員:佐野 明子)
表題:グループで行うテレビアニメ「ハイキュー‼︎」研究
要旨:近年、バレーボールは世界的に競技人口の多いスポーツとして注目を集めており、バレーボールネーションズリーグ2026での日本代表の活躍などを背景に、国内外でさらなる盛り上がりを見せている。このような人気を受け、バレーボールを題材とした作品も数多く制作されている。その中でも、本研究では近年の代表的なスポーツアニメである「ハイキュー‼」を対象とする。本研究では、「ハイキュー‼」における主将とセッターに着目し、それぞれの描かれ方や役割を比較分析することで、セッターがどのような役割を担っているかを明らかにすることを目的とする。そのために、登場ショットの回数などの映像分析に加え、チームメイトへの声掛けのセリフを分析し、チーム内の関係性や物語展開の中で果たす役割について考察する。本研究は3名によるグループ研究であり、各自がアニメーションとの出会いや卒業研究を通じた将来の展望についても述べる。

2、安達 帆乃香(指導教員:佐野 明子)
表題:ディズニーアニメーションとの出会い
要旨:本発表では私がアニメーション研究を志したきっかけ、現在取り組んでいる卒業研究、そして将来の展望について述べる。幼少期にディズニー作品に親しみ、中学時代に鑑賞した『ファンタジア』を通して、セリフがなくても映像と音楽のみで豊かな表現が成立するアニメーションの魅力に感銘を受けたことが研究の原点である。現在は「ディズニープリンセス映画における登場人物と動物との関わりについて」をテーマに、動物キャラクターが物語の進行や人物関係の形成に果たす役割を分析している。従来のプリンセス研究では十分に扱われてこなかった人間と動物の関係性に着目し、動物キャラクターを単なる脇役ではなく、人間関係を媒介し行為を促す主体として位置づけることを目指している。今後は子ども向けブランドにおいて、アニメーションを人と人、人と体験をつなぐ媒体として活用し、子どもの遊びや学び、創造性を育む新たな価値を社会へ提案したいと考えている。

3、石東 大和(指導教員:佐野 明子)
表題:「好き」から始まるアニメーション研究 
要旨:本発表では、私がアニメーションに興味を持つようになったきっかけと、現在大学で取り組んでいるミッキーマウス作品の研究、そして将来実現したいアニメーションの未来について述べる。幼い頃からディズニー作品に親しみ、その中でもミッキーマウス作品に魅了されたことが現在の研究へとつながった。現在は、1928年から1953年までに制作されたミッキーマウス短編作品を対象に、ショットサイズや視点ショット、逆アングルなどの映像表現に着目し、時代による特徴や変遷を分析している。また、同時期に制作されたフライシャースタジオの『ポパイ』作品との比較を通して、ミッキーマウス作品の映像表現の独自性や当時のアニメーション表現の傾向を明らかにすることを目指している。さらに、研究内容を紹介するとともに、アニメーションとの出会いを次世代へつなぎ、アニメーション研究の発展への思いについても述べる。

4、富澤 奏、村田 南実(指導教員:佐野 明子)
表題:アニメーションの学びと実写への活用
要旨:本発表では、私たちがアニメーションに親しみ、映像表現への興味を持った経験を出発点として紹介する。続いて、「文化解析」の授業で学んだ映画理論について述べる。映像はフレーム内だけで成立するものではなく、画面外の空間も含めて観客に認識され、音響や登場人物の視線・動きなどを手掛かりに映画的物語世界が形成されることを学んだ。また、画面内と画面外を行き来する映像表現によって、観客は映っていない空間まで想像し、物語世界を理解する。さらに、ショットサイズにはそれぞれ異なる演出効果があり、『魔女の宅急便』を例に、ショットサイズの違いが登場人物の成長や演出意図を効果的に表現し、映像作品に重要な役割を果たすことを学んだ。このようなアニメーションを通した学びを基盤として、卒業研究では実写のアイドルの映像表現を定量的に分析し、ショット構成と演出効果の関係を明らかにすることを目指している。

5、鯉沼 穣也(指導教員:佐野 明子)
表題:私とアニメーション
要旨:本発表では、私がアニメーションと出会い、学び、研究へとつなげてきた過程を紹介する。原点となったのは、幼少期に見たチェコ発のストップモーション人形アニメ『パットとマット』である。台詞をほとんど使わず、動きや表情、音楽だけで笑いを生み出す表現に魅了され、アニメーションへの関心を深めてきた。現在は、卒業研究として「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズにおける「間」の感情表現とその設計について研究している。テレビシリーズ、旧劇場版、新劇場版を対象に、沈黙や静止の長さ、台詞の有無、ショットサイズ、人物やカメラの動き、BGMや環境音、表現される感情を記録し、時代による変化と感情ごとの傾向を分析する。感覚的に語られてきた「エヴァらしい間」を具体的な映像要素として整理し、新旧を問わず作品の魅力が広く伝わる社会を目指す。そのため将来は、作品の時代を超えた価値を発見し、自分の言葉で発信できる人間になりたい。

6、棚町 琉月(指導教員:佐野 明子)
表題:アニメーションと3DCG
要旨:本発表では、幼少期の視聴経験を背景に、卒業研究である「3DCGモデルを用いた男性アイドルMVの映像演出研究―ショット分析を中心として―」について報告する。『プリキュア』シリーズやアイドルアニメなど、アニメーションと3DCGが融合した作品に親しんできた経験から、3DCGMVを卒業研究の研究対象に選んだ。本研究では、MVを「ひとつの楽曲にあわせて制作された映像作品」と定義し、計量映画学で用いられるショット分析を実施する。具体的には、MV特有の激しいカメラワークに対応した分析条件を設定するとともに、超クローズアップや超ロングショットのショットスケールに対して、実写MVとの比較分析を行う。こうした分析により、3DCGモデルを用いたMVの映像的特徴と、3DCGの特性がショットの使われ方に与える影響を明らかにすることを目指す。本研究で得られた知見は、今後の3DCGを活用したMV制作や映像演出の発展に寄与することが期待される。

7、稲場 紗雪(指導教員:佐野 明子)
表題:ストップモーション・アニメーションの魅力を探る
要旨:本発表では、私がストップモーション・アニメーションに魅力を感じたきっかけと、大学で取り組んでいる研究、そして今後実現したいことについて紹介する。ストップモーション・アニメーションは、本来動かない人形や粘土などが命を持ったように動くだけではなく、多様な素材ならではの質感や重さ、触覚まで伝わってくるような表現が大きな特徴である。私は、この「触われそう」と見る者に感じさせる表現に興味を持ち、その魅力を生み出す一因として「物質性」に着目した。現在は、質感や実在感を視聴者へ伝えるための映像表現について、とくに物が変形する表現に着目して研究している。また、CGやデジタル技術が発展する現代だからこそ、手作業によって生み出されるストップモーション・アニメーションならではの価値を見つめ直し、その魅力を多くの人に伝え、アナログならではの表現文化がこれからも受け継がれていくことに少しでも貢献したいと考えている。

討議(11:45〜11:50)
質疑(11:50〜12:00)

西日本支部             
一藤(支部代表):fuji_f_takaus@kmf.biglobe.ne.jp
宮﨑      :shizukanimation@gmail.com
教育研究部会
昼間      :y-hiruma@bunka.ac.jp

※ @を@に変えてください。


 

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