![]() 日本アニメーション学会 |
研究・教育委員会主催シンポジウム 『アニメーション制作・教育のためのツール開発』 |
テクノロジーと密接な関係を持つアニメーションという表現において、どのようにテクノロジーを捉え、制作や教育の実践の中で活用するかは重要な問題です。昨今のデジタルテクノロジーの進化によって更なるブラックボックス化が進む中、忘れてはならないのはテクノロジーを「あたえられるもの」ではなく我々が「つくりだすもの」として捉える視点ではないでしょうか。昨今の3Dプリンタやレーザーカッターを活用したパーソナルファブリケーションの流れは、そうした「必要なものを自分たちでつくる」ことを後押ししてくれてもいます。
本シンポジウムでは、自らの制作や教育のために独自のツールを開発している事例を集め、それぞれの制作者・研究者たちの方法論や課題等について情報共有した上で、今後へ向けたディスカッションを行います。 学会員だけでなく、どなたでもご参加頂けるシンポジウムです。 是非、皆さまのご来場をお待ちしております。 ◎日時:2015年2月28日(土)13:00〜16:00(開場12:30)
◎主催:日本アニメーション学会 研究・教育委員会 ◎申込み:事前申し込み無しでご来場頂けますが、会場準備の都合上、参加希望の方はなるべく以下の問い合わせ先まで、お名前とご所属をご一報頂けますと幸いです。 ◎問い合わせ:布山タルト(東京藝術大学) info[at]taruto.com ([at]を@に置き換えて送信して下さい) ◎プログラム:
第1部 13:00〜14:50 事例発表 各25分(発表20分・質疑応答5分) 第2部 15:00〜16:00 ディスカッション 指定討論者:岩澤駿(東京大学大学院情報学環) 第1部では、4人の実践者の方々に、アニメーション制作・教育のためのツール開発の具体的な研究事例を発表して頂きます。 つづく第2部では、スタジオジブリでプログラム開発に携わり現在は東京大学大学院情報学環で教育研究に携わる岩澤駿さんを指定討論者としてお招きし、4人の発表者とともに、制作者や教育者がツール開発に取り組むことの意義や課題等について議論を深めます。 ◎事例発表の概略:
発表1:
『KOMA CHECKER:ワークショップ実践を通じた教育ツール開発』 発表者:布山タルト(東京藝術大学大学院映像研究科) 発表者は文化庁のメディア芸術関連事業の一つとして2012年から「アニメーションブートキャンプ」というアニメーター育成プログラムを実施してきた。その3年間の実践で得られた知見に基づき、短期的なワークショップに適した教育用ラインテストツール『KOMA CHECKER』の設計・開発を行っている。同ツールについて詳しく紹介すると共に、教育のためのツールを実践を通じて開発する方法論について論じる。 発表2: 『アニメミライの原画を用いた教育用アーカイブのモデルケース』 発表者:数井浩子(アニメ演出) 文化庁「若手アニメーター等人材育成事業」の一環として2010年度からスタートした「アニメミライ」ではこれまでに合計16作品が制作されてきた。そのアニメミライのなかの一作品、『わすれなぐも(2012)』の線撮・仕上げデータを援用し、初学者のための「いつでも」「どこでも」「手軽に」自習することができる学習ツールを開発した。ツールの紹介とデモンストレーションを通して、本ソフトの利活用と今後の教育的可能性について検討する。 発表3: 『クレイアニメーションにおける立体映像の撮影手法』 発表者:伊藤有壱(東京藝術大学大学院映像研究科) 実写映像とミニチュア世界のクレイパペットの混在を、パターン化してその印象などを検証する試み。撮影のためのデジタル一眼レフカメラ左右眼切り替え用の移動リグ装置開発とPC環境による合成までのプロセスを資料化することで、研究者、制作者双方が活用可能な基礎資料の作成を目的とする。クレイアニメという特殊なストップモーションアニメーションの制作のための基礎資料ともなる。 発表4: 『工科系大学における制作支援技術研究』 発表者:三上浩司(東京工科大学メディア学部) 発表者は工科系大学の視点で、産業界の技術発展のために様々な研究開発を進めてきた。その中でも特に3DCGを利用したアニメーションの制作技術の研究開発を行っている。今回は、それらの中から伝統的なセルアニメーションや手描きアニメーションの表現を3DCGに生かすツールの開発事例をいくつか紹介し、伝統的な技法を生かす研究開発プロセスについて議論する。 |
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