日本アニメーション学会

日本アニメーション学会第8回大会
開催報告

(2006.9.28/第8回大会実行委員会・仲本賢委員長)

本年度開催致しました「日本アニメーション学会 第8回大会in沖縄」についてご報告致します。

 本年度の大会は平成17年度の大会で決定しました通り、沖縄で開催されることとなり、その大会テーマを「ネットワーク時代のアニメーション」として、特に中央から離れた遠隔地におけるアニメーション文化、産業のあり方を考えることとしました。

大会開催について

 大会の日程中はほぼスムーズに行われましたが、2,3の変更点を加えました。
・基調講演に韓国漫画アニメーション学会会長の崔燉日(チェ・ドンイル)先生と学会企画理事の尹起憲(ユン・キホン)先生をお招きし、「創作産業の基盤としての 韓国アニメーション」のタイトルで講演をしていただいた。
・シンポジウムは沖縄県内で活躍するアニメーション関係者が参加するシンポジウム(1)「ネットワーク時代のアニメーション 〜沖縄からの情報発信〜」と、視聴者としてアニメーションを見てこられた外国人の方々を招いてシンポジウム(2)「ネットワーク時代のアニメーション 〜海外で見る日本のアニメーション〜」の二つを開催。地方色を出した内容を目指した。
・大会参加者1日目は27名、2日目は30名、この他研究発表には常時数十名の学生が聴講した。
・研究発表は14組、一部発表者の都合を考慮し順番を変えた。以下の発表者を入れ替え。
  13 岡部 望 「ストロービングの発生とサッケード眼球運動」---5番へ。
   5 小出 正志 「アニメーションとアニメーション研究の範疇再考」---13番へ。
・懇親会は当初計画予定の大学食堂を変更し、デザイン彫刻棟屋上にて夕日を見ながらバーベキューを行う。好評であったが、参加者多数のため食料飲み物を追加。懇親会参加者会員23名、学生(武蔵野美大、東京工芸大、大阪芸大など)39名、沖縄芸大約30名、シンポジウム参加者、基調講演者等10名、合計約100名の参加があった。
・エクスカーションには23名の会員、学生と、沖縄県立芸術大学のボランティアスタッフが参加、合計30名あまりの参加があった。


関連事業について

 大会に関連する行事を行ったが、大まかには以下の通り。
・会員作品発表。ICAF選抜学生作品発表(武蔵野美大、東京工芸大)。沖縄県立芸術大学学生作品発表。沖縄の作家学生作品発表。以上大学展示室。
・アニメーション制作資料(沖縄県立芸術大学所蔵)展示。
・韓国漫画アニメーション学会会員作品発表、沖縄出身の漫画家の作品展示を予定していたが、準備不足で取りやめた。
・アニメーション・ワークショップ「作画と動画の実習」は小学生を対象に予定していたが、参加希望者が少なく中止。
・地元の桜坂劇場とタイアップして関連アニメーション上映を行う。「立喰師列伝」押井守・監督(6/10〜23)。 「ユーリ・ノルシュテインの世界」(6/10〜16)。 「死者の書」川本喜八郎・監督(6/17〜30)特別レクチャー/横田正夫(6/23,pm6:30)。 「マクダル・パイナップルパン」トー・ユエン・監督(6/3〜9)。

最後に

 最後に、本大会の運営はすべて無償の学生ボランティアで行われました。予算が少ないためそうせざるをえなかったのです。また、それ以外にいろいろとご協力頂いた学会役員、本学大学教員、その他ご協力頂いた方々にお礼申し上げます。
 ありがとうございました。
 大会を無事遂行できたことをうれしく思います。私たちなりに大成功であったと思いました。


以上。


■日本アニメーション学会 第8回大会in沖縄 日程等

大会テーマ:ネットワーク時代のアニメーション


   大会会長: 沖縄県立芸術大学学長 朝岡康二
  大会副会長: 沖縄県立芸術大学デザイン専攻 主任教授 崎濱秀昌
大会実行委員長: 沖縄県立芸術大学 助教授 仲本賢


大会日程:

 第1日(6月24日[土])

 09:00 大会受付
     大会参加費(会員/一般)5000円 (学部生)無料
 10:00 開会式/一般教育棟3階大講義室にて
     総合司会:大会実行委員長・沖芸大助教授・仲本賢
     ご挨拶:大会会長・沖芸大学長・朝岡康二
     ご挨拶:日本アニメーション学会会長・横田正夫
 10:30 基調講演 「創作産業の基盤としての 韓国アニメーション」
     /一般教育棟3階大講義室にて 一般参加無料
     韓国漫画アニメーション学会会長 崔燉日(CHOI, DONILL チェ・ドンイル/京畿大學校)
     日本語通訳:尹起憲(YOON,KIHEON ユン・キホン)漫画・アニメーション学会 企画理事
 12:00 昼食/理事会
 13:00 シンポジウム(1)ネットワーク時代のアニメーション 〜沖縄からの情報発信〜
     /一般教育棟3階大講義室にて 一般参加無料
     司会:仲本賢
     パネラー:山添武/株式会社CGCG代表・・・・・・・・・(ゲームコンテンツ制作)
          真喜屋力/映像作家・演出家・・・・・・・・・(映像作品のネット配信)
          下里はや子/アニメーションディレクター・・・(産業としてのアニメーション)
          又吉浩/アニメーション作家・・・・・・・・・(職業としてのアニメーション)
          手島勇人/作画監督・・・・・・・・・・・・・(産業としてのアニメーション)
          向里顕夫/スタジオキュア代表・・・・・・・・(産業としてのアニメーション)
          入江貞四郎/北谷メディアステーション・・・・(インキュベート施設利用
 15:00 シンポジウム(2)ネットワーク時代のアニメーション 〜海外で見る日本のアニメーション〜
     /一般教育棟3階大講義室にて 一般参加無料
     司会:浦本寛、仲本賢
     パネラー:(タイ)ハマモト・チョム・カモン
          (スイス)ダニエル・ロペス
          (アルゼンチン)エセキエル・ホカマ
          (フランス)コポス・ダビッド
 17:00 日本アニメーション学会総会/一般教育棟3階大講義室にて
 18:00 懇親会/沖芸大学デザイン彫刻棟屋上にて夕日を見ながらバーベキュー
     ご挨拶:沖縄県立芸術大学美術工芸学部長・上條文穂(教授)


 第2日(6月25日[日])

 10:00 研究発表会(1)/一般教育棟3階大講義室にて(発表順を一部予定変更しました)
     座長:仲本 賢
     01 『鉄腕アトム』以前のテレビアニメたち −『TCJの歴史』データベースから−
       吉村 和真 よしむら かずま (京都精華大学表現研究機構)
     02 川本喜八郎の人形の心理学的検討 
       伊藤 令枝 いとう よしえ(日本大学大学院)
     03 アニメーション技法としての「オバケ」 −その分類と知覚心理学的考察−
       曽我 重司 そが しげじ (埼玉工業大学)
       増田 直衛 ますだ なおえ(慶應義塾大学)
     04 “オバケ”と仮現運動
       吉村 浩一 よしむら ひろかず(法政大学)
       千田 明 ちだ あきら(首都大学東京)
     05 ストロービングの発生とサッケード眼球運動
       岡部 望 おかべ のぞむ(スタジオ むう)
 12:30 昼食/理事会(新規)
 13:30 研究発表会(2)/大講義室(一般教育棟301教室)にて
     座長:仲本 賢
     06 「絵本」と「アニメーション」相互関係についての一考察
       −「永い夜」と「Stormy Night」をめぐって−
       陶山 恵 すやま けい(東京工芸大学)
     07 打ち上げ花火はどう見える? −拡大運動の知覚−   
       増田 知尋 ますだ ともひろ(立教大学)
       鈴木 清重 すずき きよしげ(立教大学)
       増田 直衛 ますだ なおえ(慶應義塾大学)
     08 ポイントライトウォーカーを用いた前方および後方への歩行動作の比較検討
       中村 浩 なかむら こう(北星学園大学短期大学部)
     09 アニメーションにおける衣服表現の臨床心理学的検討
       横田 正夫 よこた まさお(日本大学)
     10 『スーパーマン』以前 −テレビ黎明期のアニメーション−
       権藤 俊司 ごんどう しゅんじ(東京工芸大学)
     11 動きのデッサンについての考察
       陣内 利博 じんのうち としひろ(武蔵野美術大学)
     12 アニメにおける歩行の作り方と順序について
       佐分利 敏晴 さぶり としはる(国立身体障害者リハビリテーションセンター学院)
     13 アニメーションとアニメーション研究の範疇再考
       小出 正志 こいで まさし(東京造形大学)
     14 遮蔽された動きの軌跡の認知 −遮蔽時間と運動の種類による効果の検討−
       土田 昌司 つちだ しょうじ(明星大学)
 17:00 閉会式
     ご挨拶: 大会実行委員長・沖芸大助教授・仲本賢


 第3日(6月26日[月])

 エクスカーション
 沖縄文化見学ツアー(1)恩納村海岸散歩(2)ちゅら海水族館
    午前9時沖縄県立芸術大学正門集合/午後5時那覇空港解散
    大型バス手配
 担当者:伊舎堂昭子(いしゃどうしょうこ)


関連イベント:

1)会員作品展示とアニメーションビデオ上映
 主催:沖縄県立芸術大学
 会場:沖芸大附属図書・芸術資料館展示室
 入場:無料
 会期:24日(土)、25日(日)
 作品発表:「自然遊戯」野地 朱真(のじ すま)アニメーション学会会員
 作品発表:「WALKERS(仮題) 」陣内利博 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科有志一同
 作品発表:大学生作品(ICAF)
 『多摩グラアニメ博INパリ→オキナワ』上映プログラム 7作品 合計約48分
 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科学生作品 7作品 合計約46分
 作品発表:沖縄県立芸術大学:アニメーション作品
 作品発表:沖縄の若手アニメーション(映像) 作家の作品
2)アニメーション原画展示
 主催:沖縄県立芸術大学/日本アニメーション学会
 会場:沖芸大附属図書・芸術資料館展示室
 入場:無料
 会期:24日(土)、25日(日) 10:00〜17:00
 作品1:アニメーション制作資料(沖縄県立芸術大学所蔵)
 「どうぶつ宝島」シナリオ、絵コンテなど
3)関連アニメーション上映
 主催:桜坂劇場/沖縄県立芸術大学
 協催:日本アニメーション学会第8回大会in沖縄実行委員会
 会場:那覇市桜坂劇場
 入場:有料
 会期:6月17日(土)〜25日(日)
 作品:「立喰師列伝」押井守・監督(6/10〜23)
 ユーリ・ノルシュテインの世界」(6/10〜16)
 「死者の書」川本喜八郎・監督(6/17〜30)6/23(pm6:30)
特別レクチャー/横田正夫
 「マクダル・パイナップルパン」トー・ユエン・監督(6/3〜9)
4)アニメーション・ワークショップ「作画と動画の実習」
 ※予定していましたワークショップは参加者集まらず中止しました。

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大会事務局 電話、メールアドレス
沖縄県立芸術大学・デザイン専攻
電話/ファックス 098-882-5072
電子メールアドレス nakamoto@okigei.ac.jp

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大会参加費/会員・・・・・・・・・・・・・・・¥5,000-
大会参加費/一般・・・・・・・・・・・・・・・¥5,000-
大会参加費/学生・・・・・・・・・・・・・・・無料
懇親会費/一般・・・・・・・・・・・・・・・・¥5,000-
懇親会費/学生・・・・・・・・・・・・・・・・¥1,000-
沖縄文化見学ツアー(エクスカーション)参加費・¥5,000-

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大会実行委員会
委員:仲本 賢(実行委員長)助教授
委員:又吉 浩(副実行委員長/展示)映像作家/非常勤講師
委員:赤嶺 雅(運営)デザイン専攻・講師
委員:翁長 洋子(会計)デザイン専攻・助手
委員:玉城 なつみ(庶務・記録)大学院生
委員:ダニエル・ロペス(庶務・記録)研究生
委員:真喜屋 力(イベント)桜坂劇場・理事
委員:入江貞四郎(運営)沖縄デジタルモーション代表

学生委員
委員:伊舎堂 昭子(情報/デザイン/統括)
委員:山入端 悠(情報/デザイン/受付)
委員:徳田 津奈子(情報/デザイン/受付)
委員:照屋 野枝(情報/デザイン/受付)
委員:呉屋 藍子(情報/デザイン/受付)
委員:具志 ともえ(情報/デザイン/受付)
委員:浅沼 愛子(情報/デザイン/受付)
委員:大川 留美(情報/デザイン/受付)
委員:玉城 なつみ(情報/デザイン/受付)
委員:本庄 陽音(情報/デザイン/受付)
委員:古堅 ちひろ(情報/デザイン/受付)
委員:久安 美帆(情報/デザイン/受付)


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